ガシャン……!!








えっ、何!?





突然、何かが割れるような音が
部屋に響いた。





周りの人達は驚いて音がした方を
見て騒いでいた。









(捺海ちゃん、ゴメンね。


ちょっと俺、行ってくる。)







春綺君は、急いで立ち上がって
騒がしく集まっている方に向かった。







「うん、気を付けてね。」






何があったんだろ……






(まーた、あの人達かぁ~……)






隣に座っていた、れおん君は
ウサギのぬいぐるみを抱き締めながら
溜め息を付いた。







「またって?」






(なっちゃん、来て。)







れおん君は、あたしの手を握って
周りに人が集まっている所に
引っ張って行った。







何だろ……





段々と近づいて行く程に騒がしい声がハッキリと聞こえて来た。







(何すんのよ!!)





(ハァ!?そっちが、最初にして
来たんじゃん!!)







派手に着飾ってメイクが濃い
女2人が怒鳴り合っていた。





うわぁ……………





酷いな……コレは……





床には、グラスが割れた破片が
散らばっていてテーブルには
グラスの中身が零れていた。







怒鳴り合っている女2人を落ち着かせるために数人のホスト達が
囲っていた。








(あのねぇ……あの、お客様達……

なおちゃんのお客様なんだ。)