すると、着替え終わった春綺君は、あたしを見た。
(謝らなくって良いよ。
悪いのは、俺なんだから。)
違う…………
春綺君は、悪くない。
あたしが、悪いんだよ。
「春綺君………」
(俺、初めは尚希を
苦しめるために捺海
ちゃんに近づいた。
けど、捺海ちゃんと
一緒にいる内に……
目的を忘れていた。
だから、コレだけは
分かって欲しい。
俺、本当に捺海ちゃんが好きなんだ。)
「でも、あたし………」
すると、春綺君は
ニッコリと微笑んだ。
(捺海ちゃんが、俺を
好きじゃないことは
知っている。
だから、待ってるよ。
返事は今直ぐじゃな
くって良い。
だから、それまでは
今まで通りにして欲しいんだ。)