「………っ…うっ………」
(……………………)
あたしが、叫んだ
瞬間……
春綺君の動きがピクリと 止まった。
瞑っていた瞼を恐る恐る 開けると……
(………で……よ……)
春綺君の口から小さい
声が聞こえた。
「えっ……??」
(……何で………
何で、アイツなんだよ
っっ!!)
「……春…綺………
……くん……??」
今まで、聞いたことが
ない声だった。
いやっ、むしろ………
春綺君が、声を荒げる
何て……
突然のことに、あたしは、ただ俯いている春綺君を見つめた。
(何で、アイツ
なんだよ……
何で、アイツのこと
嫌いって言ったのに……
何で、アイツの名前を
呼ぶんだよ………)
春綺君の肩が、微かに
震えていた。

