ギュッ…… 春綺君が掴んでいる 腕に力が入る。 怖い…… 春綺君が怖い……… あたしの腕を力強く 掴む力…… あたしを見下ろす冷たい 瞳……視線………… 何を考えているのか 分からない表情……… そんな春綺君が怖い…… 初めてだった。 春綺君が、こんなに 怖いと感じたのは。 あたしは、ただ恐怖心で一杯だった。 だから、体が微かに 震える。