(ホテルの903室。


そこに捺海ちゃんと
俺がいる。


選ぶのは尚希の
好きでいい。


さぁ、どっちを選ぶ??




満里南さんか………




捺海ちゃんか………)






春綺君は、そう言って
電話を切った。





そんなのメチャクチャだ。




だって、部屋の番号しか言ってないのに………





しかも、ここは都会。



ホテル何て沢山ある。




それなのに、見付け
られる訳がない。





あたしは、恐る恐る
振り返った。






「何……する気??」







(何って決まってる
じゃん。



話していた通りだよ……

捺海ちゃん。)






ゾクッ……






まただ……



また、あの表情だ。






初めて春綺君と食事に
行った時に見せた、
あの表情………






危険を感じて逃げようと するとー……







ガシッ……!!







(駄目だよ……
逃げちゃ。)






ドサッ…!!





気が付くと、あたしの
視界には白い天井。






ギシッ……





そして、直ぐに春綺君の顔が視界に入った。