「それに、お前が泣いてんの
初めて見た。」







えっ、あたし…………





泣いてたの………………??







最低男の言葉に驚く。






最低男に言われるまで全然
気が付かなかった。









「ダサいとか思った?   


あたしが泣くなんて。」





「別に俺は泣いても良いと思うぜ。



だって、お前…………



まだ、17だろ??


まだ、ガキなんだからさっ

泣きたいなら抑え込まないで
思いっ切り泣けば良いんじゃねぇ?」






“まだ、ガキなんだからさっ“





その言葉を聞いて胸の奥が温かくなるように
感じた。






「うん………


ありがとう……………」



あたしは、そう言って
最低男が着ている服の
裾を強く握り締めた。





今の、あたしには
裾を握り締めることが………




あたしの精一杯だ。