「…………今日は、もう寝る。」 「あっ………………」 もう少しで、アイツの背中に 届きそうな距離だったのに 最低男は、そう言ってリビングを 出て行ってしまった。 バタン……… ドアの閉まる音が、あたしの 耳に大きく聞こえる。 近かった距離は、あっとゆう間に……… 遠くなってしまった。 あたしは、伸ばしていた手を 降ろした。 この時、あたしは気が付いた。 満里南さんにとって、アイツは 過去の男。 今は、アイツのことは好きではない。 満里南さんは、アイツじゃなく 違う人を愛している。