「アイツが誰と結婚しようと
俺には関係ない。」
そう言ってリビングのドアを
開けようとする最低男。
何、強がってんの??
こんな時ぐらい素直に
言えば良いじゃん…………
「でも………………」
何か、最低男に言いたい……
けど、あたしが言ったって
逆効果になるかもしれない。
あたしは、あの日から人との
関係を切って来た。
親の愛も知らずに、この17年間を
生きて来た。
そんな、あたしに……
コイツに何て言えば良いのか
分からない。
そう考えている内に、あたしの
手は、いつの間にか最低男の
背中に手を伸ばしていた。

