駐車場に着いて車に乗ると、 ほんのりと甘い香りがした。 前に、春綺君の車に乗った時に 香った香りとは、真逆だった。 春綺君の時は、爽やかって言うか 何と言うか春綺君らしい香りだけど 最低男は、甘い香りなんだけど 最低男らしい香りが車に広がっていた。 最低男は、運転しながら窓を開けて煙草を吸った。 それにしても…… どこに向かってるんだろ。 「ねぇ、どこに行くの??」 「行けば分かる。」 最低男は、見向きもしないで 答えた。