「嘘付くなよ、親父に何か
言われたんだろ?
話せよ…………」
ソファーに座っている、あたしの
腕を掴み見下ろしている最低男の
瞳が、あたしをジッと見つめる。
その瞳や掴む腕の力が、凄く
優しかった。
お願いだから、そんな風に
見ないでよ。
そんな、優しい声で聞かれたら
全部話しちゃいそうじゃん。
駄目だ…………コレ以上……………
こうしてたら、甘えてしまう。
あたしは、グッと抑え込んだ。
「何も……ない…………
お願いだから……コレ以上…………
優しくしないで……………」
あたしは、腕を掴まれたまま
俯いた。

