(君のことは何でも知っている………
学歴、友人、恋人……………
そして、“家族”のことも……………………)
最低男のお父さんが口にした
家族の言葉に反応してしまった。
全部………知っている………………
その言葉が、何回も聞こえて来る。
そんな…………じゃあ…………
(君の父親のことも………母親のことも………)
あたしは、今すぐにでも耳を
塞ぎたいと思った。
(可哀想にねぇ…………
まだ、幼かったのに。)
哀れでいるような言い方をする
最低男のお父さん。
あたしは、最低男のお父さんが
視界に入らぬよう俯いた。
段々と頭が熱くなるのを全身で感じた。
駄目だ…………
泣いたら駄目………………

