「だから、公園にある遊具なんて
一度も遊んだことがない。
俺の家って教育が厳しかったから
同世代の奴と遊んだこともないし、
あまり話したこともない……」
ズキッ……
最低男は、何故か凄く寂しそうな
表情をしていた。
その表情が、あたしの心を
大きく縛り付けた。
その表情には、何かを抱えている
ような表情に見えた。
そんな最低男を見て自然と
あたしは、最低男の手を握っていた。
そんな、顔しないでよ……
アンタらしくないじゃん。
そんなことばかり思ってしまう。
「……じゃあ、あたしが教えてあげる。
ブランコのやり方とか他にも
あたしが沢山教えてあげる……!!」
気が付けば、あたしは大声で
言っていた。
大声を出して我に返るとー……
「…………生意気なんだよ……
お前の癖に。」
ペシッ……
最低男は、あたしのオデコに
ビンタした。

