それから一週間、ハルとは会わなかった。一週間も会わないなんて初めてかもしれない。
会いたいけどまだ気持ちの整理もつけれてないのに会ったらきっともめてしまう。
学校から帰り家に入ろうとするとハルの家の前でハルのお母さんが知らないおじさんと話していた。
それを見ているとおばさんが私に気付きアユちゃんおかえりと声をかけた。
「うん、ただいま。」
家に入ろうとすると知らないおじさんのほうが声をかけてきた。
「君がアユさん?」
「‥はいそうですけど。」
「ハルくんとお付き合いされているんですよね?」
髭を生やしたちょっとワイルドなその人は私のことをなめるように見てきた。
「――どなたですか?」
少し怪訝な顔をしていると名刺を差し出してきた。
「私はハルくんが通う美大に勤めています。ハルくんの担任ですね。」


