私とハルは俗にいう幼なじみ。
私の家の隣にハルが引っ越してきた。
挨拶したときに仲良くしてやってねってハルのお母さんが言うから、私は次の日さっそくハルを遊びに誘った。
あれは確か、私が小学3年生でハルはまだ小学生1年生だったとき。
一緒に遊ぼと言うとくしゃっとした顔で笑ってうんと頷いた。
それから私たちは当たり前のように仲良くなって毎日一緒にいた。
そして当たり前のようお互いを好きになった。年下っていうだけで学生の頃はいろいろ言われたけど私はハルが大好きで。
ずっと二人仲良くやっていた。
事が起きたのは私が大学4回のときだった。
就職先から内定も無事もらえて私はのんびり残りの大学生活を満喫していた。
私は普通の私大に、ハルは絵を描くのが上手だったから美大に進んだ。
お互い忙しかったけど毎日顔は合わしていたしそれなりに安定した付き合いが続いていた。
「アユ、大事な話があるねんけど。」
そう言うハルの顔はいつになく真剣で何かを思い詰めているように見えた。
「なに?別れ話なら聞かないよ。」
そう答えるとハルは少し笑いながらそんなわけないやろと答えた。
「俺はアユから離れたくないわ。」
「じゃあなに?何かあったの?」


