「え~?
何のこと?」


「理事長に頼まれたんじゃなくて、先生じゃない。今回のこと。 」


「あぁ、それね。
別に大丈夫~
父親の命令なら否が応でも教えてくれると思ったからさ。
結果オーライよ。

それより、クレキン
(クレイジーキングダム)
って、私のハコじゃん。
だったら、今まで会ってたかもしれないってこと?

常連客かな~? 」


愛香の頭の中は行きつけのライブハウスのことで一杯になっているようだった。



今井 友喜。


リズはポケットの中のメモ用紙に書かれた名前をもう一度眺めた。

友喜とかいて
ゆきと読むらしい。



男なのに、

女の子の名前…

少し変わっているかも…

リズはそう思った。