「……本当に、バカ。」



愛香は微笑みながら
ぼそりと呟いた。






「愛~ちゃん!
何、嬉しそうにしてるのぉ?」


「―――っ!
びっくりしたぁ~!
リズっ!
驚かさないでよぉっ!」

突然、愛香の背後に現れ、ぴょんと飛び込んできたリズに相当、愛香は驚いた。


「…へぇ~愛ちゃんでも不意打ちには弱いんだぁ。
理久に教えてあげよ。」

リズはずる賢く笑った。

「あ~そ。
別にいいも~ん。
そんなことしたら、リズに勝ち目はなくなっちゃうけど、いいのかなー?」


愛香は口を尖らせた。


「うぅ~それは嫌~
理久と対抗出来るのは愛ちゃんしかいないし~」

勢力図とすれば、
愛香>理久>リズ
といった感じだろうか。


「それより、愛ちゃん 忘れ物。はい。」


リズは愛香に携帯を渡した。

「うっそ!
ありがとう~!
全っ然っ気がつかなかった~!」


「愛ちゃん、携帯忘れてたの3回目だよー?
気をつけなきゃ~!
悪用されちゃうよ~。」

「ごめ~ん。
いつも助かるぅ!」


「それより、愛ちゃん
何してたの?ここで。」


リズは素朴な疑問をぶつけた。


「何って…別にっ何も…」


愛香は少し焦っている様子だった。