思ったより長引いた梅雨が明けようとしていた。

日差しがより一層強くなった空は、アスファルトに染み込んだ雨をじわじわと蒸発させている。

もうすでに陽が沈んでもいい時間帯だったが、太陽は煌々と照り続けていた。


まるで沈むのをためらっているかのようだ。


いつまでもゆらゆらと西の空に漂っていた。



学校からかなり離れた場所にサッカー部の専用グラウンドがある。

学校は街の中心部にある為、広いグラウンドを確保する為にはこういった遠隔地に場所を設けるしか方法がないようだ。


グラウンドの側に流れる一級河川の河川敷に樫村愛香は腰を下ろしていた。


見晴らしのよいその場所はグラウンドがよく見渡せる。



愛香は、本気でサッカーの練習をしている但馬理久を目で追っていた。