「おばあちゃん…」




ここに来ると


いつも


感覚が鈍くなる。





自分の感覚を忘れて
しまいそうになる。




「リズだよ…

おばあちゃん…」




唯一、 リズを見てくれていた
祖母の瞳は今はどこか遠くを見つめている。



「……おばあちゃん

私はリズだよ… 」


もう、


川嶋莉子という人間の存在さえも今のおばあちゃんには見えていないんだ。