「あー…マジ、疲れた…」

高校の制服姿の少年は、溜め息を付きながらぼんやりと呟いた。

背負うように部活のスポーツバックを両肩に掛けている彼は、歩くのも億劫そうに足を止めた。


それに釣られるように周りにいた仲間等も次第に足を止める。


「なぁ…最近、ハードじゃね?
上ちゃん、やりすぎ…」


疲労困憊の彼等は、喋るのも億劫といわんばかりだ。


「…だよなー、いくら大会近いっていってもあそこまでされると体力持ちましぇん…」


「…私情、入ってんじゃねぇの? 」


「…おいおい、恨み買ったのは、どこのどいつだよ〜」


「こいつだったりしてぇー」


仲間の一人は理久の首をロックするように首に腕を回し持たれ掛かった。


「…いてぇよ。」


理久は全体重を少年に掛け、ささやかな抵抗をした。


「お前が上ちゃんに何かと
くって掛かるからだろ? 」


「そうそう、まるで喧嘩。」


「お前も上ちゃんもどうかしてるぜ」


駅の構内でたむろっている彼等の愚痴は当分止むことはなかった。


最近サッカーの朝練から午後練までハード極まりないと、彼等の不満と疲労はピークに達しているようだ。