ユウの歌声は、とても印象深い声色を持ち合わせている。


一度聞いたら忘れないほど、その声色は深みのある心地良い質感を持っていた。


誰にも真似することのできない
彼だけの歌声。


世界にひとつしかない彼だけの世界。


心情は音色となり

音色は言葉へと姿を変える。






「……………。」




ユウ、知ってる?



あなたの歌を聴く度に


いつもあの光景が甦るんだ。


始めて出会った、あの時だよ。


ユウは知らないよね。



偶然、駅の構内にいた


ユウを見かけただけなんだから。




思い出すんだ。


ユウの歌を聴く度に。



ユウが涙を流していた



あの光景が



いつも甦るんだ。