「…リズ?
友達が来てるけど、どうする…?」

しんと静まり返っているリズの部屋の前で声が響いた。


ドア越しに聞こえる母親の声はこの上なく優しいものだった。

ベットの中のリズは寝返りを打った。


「……うん…
大丈夫…。 」


リズは重たい身体を無理矢理起こした。


両手が痺れる。


感覚が麻痺しているかのようだった。


「リズー!!
元気してたっ?!
愛ちゃん登場~!!」


愛香が部屋に入ってきた途端にテンションが無理矢理上がったような感じがして、リズは少しだけ笑った。


「愛ちゃん、無理があるよ~」

リズはベットの上から来客を招き入れた。

「アハ、やっぱり~?」

いつもの愛香がいた。

それにつられるようにリズも笑うしかなかった。

どう見ても不自然なテンションの愛香の横に、得能あずさがいた。

「川嶋さん、
元気そうで何より!」

今にも顔が崩れるかのような微笑みを浮かべたあずさは、安心した声を上げた。