ヒールをカツンって

恋の色したスカートを夏風にヒラリとたなびかせて。

現実の世界へ歩き出した。

「潤!!!!!!!」

子供は私の好きな人を連れて

楽しそうにはしやいでる。

多分、潤くんは気づいてないよね?

本当はもっと隣にいたかった。

私、なんかまだ言わなきゃいけない事がある気がして。

立ち止まったの。

「どうしたの?」

ってキミが言ってくれたら私、言えたかもしれない。

キミへの想いを。

嘘偽りない想いを…

キミがどこかで見てくれてたら良いな。

「私…未だキミを諦められない。

キミが…キミのことが好きなんです…」

いつも、恥ずかしいからって。

照れてるからって言えない想い。

夏の夕焼けを俯きながら歩いた。

夏の夕焼けは、切ない帰り道は…

後悔で胸を埋め尽くしていく。

もっとキミと話たかったのに。

風は後ろ髪を引いた。

電車に乗り込んだ。

キミの住んでる街から離れてく。

ずっと瞳で追いかけた。

現実に帰ってきたとき

泣き崩れそうで仕方がなかった。

だけどキミからの返信が嬉しくて。

キミからの電話。メール。

今の私の支えだよ。

キミの街から私の街までの切符を

無効にしてもらった。

記念に残せるように…。

私は今日も前を向いてあるいてるよ。

キミに振り向いてもらえると信じて。

またいつか会えると信じて。