「……くくく」
落胆する俺の背後から、キモい笑い声が聞こえる。
「柏原……てめぇ、笑うならちゃんと笑え」
振り返った先には、トイレから出て来た柏原。
コイツ、聞いてたな。
「川合も、心ちゃんに尻に引かれてるな」
「るせーよ」
尻に引かれてる。
確かに、そうかもな……。
「ま、俺も変わらないけど」
「へ?」
隣でまだ笑ってる柏原の視線は、遠くに見える沙耶。
ほう、そう言う事ね。
「お互い、お姫様のお世話は大変ってことだな」
「だな」
何故か最近、柏原と話が合うよになってきた。
これは良い事なのか……何なのか。
それから席に戻ると林と愛未さんも来ていて、すぐに行く準備がされてた。
乗り気な心菜。
本当に大丈夫かよ。

