「う〜ん……心菜? 眩しい」



そう寝ぼけた声を出して、再び目を綴じた。


えぇ!
それだけ!?

名前を呼び捨てにされた事に思わずドキッとしてる場合じゃないし。


「ちょっと、陽呂! ……わぁっ」


気を取り直し、布団を剥ぎ取ろうとした私を伸びて来た手が引っ張った。

まさかの素早い行動に陽呂の寝てたベットに倒れてしまった体。


「おはよ……心菜」

「お、おはよ」


反射的に朝の挨拶を交わすものの、陽呂に抱きしめられ、恥ずかしさの余り、そっぽを向いてしまう。

だって……顔近いんだもん。


いくら結婚4年目とはいえ、寝室を一緒にしたのは最近だし。

私が陽呂より先に起きてる事も珍しいし。


だから、こんな事あんまされないんだもん。


「てかさ……眩しいって」


って。
私のこんなピュアな乙女心は無視なわけ?

結婚4年が過ぎて、陽呂を大好きなのは変わらない。

未だにドキドキだってするし。

いや、しっぱなしだし。


なのに、最近の陽呂ってば。

全然そういうのがないんだよ。


付き合いも長いし……わかるけど。


でも、もうちょっとくらいあってもいーじゃん!