ソファに横になると同時に、睡魔が襲ってくる。

睡眠不足が続いてたからか、眠れると判断した脳が一気に俺を夢の中へと引きずりこもうとした、その時だった。


モゾモゾ……と、何かが動く感触。

心地よい温もり。

柔らかい肌。

何よりも、俺の好きな甘い香り。


「……えっ!?」


閉じていた瞳をバッと開け、慌てて起き上がった。

眠気も、その一瞬で消え去る。


俺の横には、枕を抱きかかえた心菜が居て。


「こ、心菜さん!?」


あまりの驚きに、そのまま止まってしまう。


「こんなところで寝るの? 一緒に……寝ない?」


その一言で、尚更ついていかない俺の頭ん中。


今の台詞って心菜が言ったのか?


いや、夫婦なんだからおかしくないのかもしれないけど。

未だ俺達の寝室の別なわけで。

それは心菜が卒業するまで待って欲しい。そう言ったから。

勿論、俺からすれば一緒がいいんだけど。


だから、そんな状態なのに。

この台詞って……。