抱きしめていた力を緩め、私の目を見つめる陽呂。
まだ赤い頬を少し恥ずかしがりながらも額をくっつけて
「プールに落ちた時、助けれなかったし。
ヤキモチとか妬いてダサイし。
俺、すげぇウザイなって思ってた」
ゆっくりと、恥ずかしいであろう言葉を隠さずに言ってくれる。
「そうだったんだ」
私に言ったと思った言葉は、自分自身に言った言葉だったんだね。
じゃあ、あれは素直にならなかった……私自身への言葉でもあるよね。
「で、林に部屋変えてくれって頼みに行ってた」
は?
今、私。
すっごーく良い事、思ってたんだけど。
林君ってことは、もしかして……
眉間に小さく皺を寄せる私の顔を見て
「そ。今日は俺と同じ部屋」
って満面の笑みを浮かべる。
「なっ!? 愛未は?」
「大喜びで変わってくれた」
愛未の林馬鹿め!
林君のこととなると、私に相談もなく勝手に返事しちゃうんだから。
「あー! でも、俺。もっと心広くならなきゃ、な?」
そう肩を落として言う陽呂に
「別にそのままでもいいよ」
そう呟いて、陽呂の背中に腕を回した。
陽呂が驚いたのは言うまでもないけどね。

