ドアが閉まると、陽呂も止まってしまった。
掴まれた手首が熱くて。
だけど、話しかけることなんて恐くて出来ない。
もし、また……ウザイって言われたら。
陽呂の背中からは、怒りと冷たさが感じられる。
その背中を見てるだけで、また涙がジワッと出て来た。
――ドンッ
突如振り返った陽呂に押され、すぐ後ろのドアに背中をぶつけた。
「んん……っ」
そして、合わさった唇。
ドアに押し付けられるくらいに強い力。
いつもの陽呂は、いくら強引だとしてもこんな事はしない。
こんな力任せなやり方、絶対しない。
それに、このキスは怒りの満ち溢れた味がする。
「ひ、ろ。……いた」
少し出来た隙間から言葉を発せば、
「うるさい、黙ってろ」
聞いたこともないような命令口調が返って来る。

