だって、また甘えたら答えがわからなくなってしまう。
私はいつも甘えてばっかりだから、こうなったんだと思うもの。
「せんぱ……大丈夫で、す」
「でも……」
先輩が私の手首を掴み、立たせようとした時だった。
「先輩。それ、俺のなんで触らないでくれますか?」
低く怒った声がした。
顔を見なくてもわかる。
陽呂の声だ。
「え? 川合? ……あ、噂ってもしかして本当なの?」
先輩が驚いた声を出した。
顔をあげていない私は2人の表情が見れないからわからないけど、
「そか、邪魔して悪かったね」
そう呟いて行ってしまった。
重く流れた沈黙の後、突然腕を引かれてた。
驚いて見上げた陽呂は、私と目すら合わさない。
だけど一目でわかる。
凄く怒ってる。
無言まま連れて行かれたのは、ホテルの部屋だった。
閉まるドアの音が冷たく響く。

