何よ、馬鹿。
そんな言い方しなくったって……。
そんな冷たい目で見なくったって……。
ベンチに三角座りをして、額を膝に付け小さくなった。
だって、さっきの恥ずかしさと。今の陽呂の冷たさで。
なんか泣きそうなんだもん。
こんな顔、絶対見られたくない。
「その水着、そんな男に見せたかったのかよ」
冷たく響く声に鼻の奥がツーンとする。
「そ、そんなんじゃないよ!」
「しかも何? そんな傷見えるような水着いつ買ったわけ?」
別に傷が見える水着を買ったんじゃいもん。
これは、たまたまズレて見えちゃっただけで。
それに。
陽呂と海とか行く時間があったら、って思って愛未と買いに行ったのに。
陽呂に可愛いって言って貰いたくて選んだ水着だったのに。
そんな言い方しなくても、いいじゃない。
我慢してた涙が一粒、零れてしまった。

