陽呂が向かって来る方向と逆から突然聞こえた声にマヌケな声を出してしまった。
見ると、同じサークルの人がこちらに向かって手を振っている。
あー、多分先輩かな?
思い出しながら、その人を見ていたら小走りでそばに来て
「1人なら俺等と一緒しない?」
手首を掴まれ、軽く引っ張られた。
「あー、でも……」
引っ張られた手を振り解けないまま、後ろに居るはずの陽呂をチラッと見てみた。
はあ?
そこには、こちらに向かって歩いて来ていた陽呂の姿なんてなくて。
さっきと同様、女の子に囲まれて鼻の下を伸ばしている姿があった。
……ふーん。
そういう事ね。
「一緒させてもらいますー♪」
バッカじゃないの。
本当に信じらんない。
「あ、心菜さ……」
先輩に引かれる後ろから、陽呂に声がしたけど。
今更遅いよ!
今頃呼ぶなら、もっと早くに呼んでよ。
男なんだから女の子くらい振り解けるでしょう?
いつから、そんな軟弱な男になったのよ!

