「な、何笑ってるのよっ。変な顔!」
あぁ、変な顔だと?
「へぇ~。でも、その変な顔と結婚したの誰だっけ?」
「は!? なっ、何っ。愛未と何の話してたのよ?」
何となく意地悪心が沸いちゃって。
「別に何の話でもよくないですか? そんなに気になります?」
そう言うと明らかに不機嫌な顔になる。
「べ、別に!」
「心菜が欲求不満だって話だけど?』
「なっ! ばっ、ばっかじゃ…ないの」
ぶはっ(笑)
真っ赤になって、焦って、驚いて、暴れて。
ヤバイ。
可愛いかもしんない。
必死に俺から離れようとする心菜を、ギュッと抱きしめた。
「え……、ひ、陽呂?」
「嘘」
「は。う、嘘とか…」
ねぇ、心菜。
もっと焦って、もっと驚いて、もっと暴れて、もっと真っ赤になってよ。
「なぁ、心菜」
「な、何?」
「今晩、俺こっちの部屋で寝ていい?」
ギュッと抱きしめてた心菜を少し離し、額をくっつける。
俺の目を見つめた後、心菜の目が左右に泳ぎ出した。

