《実は、心ちゃんに聞いたんだけどさー》 「はい」 心菜に? 《陽呂君が、迫ってくれないって悩んでたよ~》 「……、……はぁ!?」 《大切にされ過ぎてるって。 自分に魅力がないのかな? って心配してたよ。 ま、私からしたらノロケにしか聞こえないんだけどね》 「そんな事を?」 ふと視線を落とすと、何の話? って顔をした心菜と目が合った。 掴んだ手首に少し力を込め。 グッと体を引き寄せ。 そのまま抱きしめた。 俺の腕の中で焦っている心菜を無視して、電話を続ける。