「ひーろ?」


威嚇したつもりなのに出た声は情けなくて。


「飛行機、全部個室にすればいーのに」


なんて意味不明な発言。

恐がりながらも首を傾げる私をチラッと見ると


「なら今すぐ……押し倒せるのに」


って!


ポソッと呟いた陽呂の言葉に真っ赤になる私と、自分で言ったくせに照れる陽呂。


なら言わなきゃいいのにっ!


「……バカ」

「……すみません」


飛行機の中で2人で真っ赤になって、本当に馬鹿みたいな私達。

でも悪いのは陽呂だよね!


怒りたいけど、恐い私は飛行機をおりるまで陽呂にくっついたままだった。