記念ねぇ?

イルカのキーホルダーを目の前でプラプラさせてみる。


「今年のホワイトデー。
本当に、こんなのでいいんですか?」

「うんっ。これ良かったよ」


そう言った心菜の顔は、夕日でオレンジに染まってた。



それから、

心菜が気に入った物だけを入れてる宝石箱で、ラッコのキーホルダーを見つけたのは、数年後の話。

その頃、俺のイルカは色褪せてたけど。

今は、心菜のラッコと一緒に宝石箱の中で、仲良く眠ってるんだ。


−07.3.9−