「さて、片付けますか」 残りの食器を洗い始めた俺の隣で、心菜が手伝ってくれる。 「陽呂。ありがと、ね?」 「いえいえ。上手くいって良かったですよ」 こんなことくらい、全然気にならねーよ。 「でさ?」 「はい?」 手を止めた心菜から次の言葉がなく、不思議に思い顔を覗き込んだ。 「ううん、何でもない。後よろしくね」 「え? 心菜さん?」 は? 何だよ、急に。 後よろしくね。って心菜がしたことってコップ1つ拭いただけじゃね? まぁ……いいけど。 心菜の行動が全く意味わからねぇ。