お茶を入れて部屋に戻った頃には、美鶴も戻って来ていて


「姉ちゃん、遅かったね」


なんて笑われてしまった。


仕方ないじゃないっ!

中々治まらなかったんだもんっ。

元々、美鶴が部屋に居なかったから悪いんじゃないっ。


「あ、これ食べたけど美味しかったよ」


そう言った美鶴に『ありがとう』って笑ったら、


「わざわざ弟に、手作りありがとうね」


って……わざとらしく陽呂の前で言わないでよ。

美鶴を睨むと陽呂が、


「そういえば、そうですよね。兄弟で手作り……」

「いやっ、陽呂。今は……流行?」


な、わけないじゃん!


兄弟で手作りをあげるのが流行ってるわけがないっ!


だけど本当は陽呂の為に作ってるなんて口が裂けても言えないし。

かといって、そんなタイミングよく言い訳が思い浮かぶわけがない。


自分でも苦し過ぎる言い訳だってわかってるわよ。


だけど


「やっぱり、心菜さんは美鶴が好きなんですねー」


って、本気で兄弟愛と陽呂は勘違いしてるし。

隣では、お腹をかかえて笑う美鶴。


それを見て大きな大きな溜息が出てしまった。


まぁ、バレるよりはマシだし、いいんだけど。

そんなに笑う事ないじゃない。