愛未の毒舌によると、
駅で、その勇二君を待ってる間にお手洗いに行ったらしい。
ちょうど愛未が行った時、お手洗いはいっぱいで。
順番を待ってた愛未の後には、小学生の女の子が並んでた。
次に入ってきた女の人は当然その後に並ばなきゃいけないのに、その小学生の順番抜かしたらしい。
勿論、怒った愛未。
それに、その女の子は
『うっせーんだよ』
と言ったみたいで。
愛未ブチキレ。
でもトイレも我慢出来なくて、その小学生を先に行かしてあげて自分も開いたところに駆け込んだらしいんだ。
急いで出て来た時には、その女の人はいなくて、怒り心頭。
そして、お手洗いから出た愛未の目には勇二君と、さっきお手洗いで会ったムカツク女が仲良く手を絡めていた……、という。
「で、“ゆうじぃ〜”とか甘ったるい声で囁いてるのよ!?」
一気に話す愛未の顔は、怒りで真っ赤。
「まっ、まぁ、落ち着いてね? で、どうしたの?」
椅子から立ち上がっていた愛未を座らせる。
「で? そりゃ、全部言ってやったわよ?
小学生を抜かすなんて大人のする事じゃないでしょ?」
「そりゃ、そうだけどね?

