視線を向けた先には、柏原が苦笑いしながら俺の手元を指差してた。
そのまま、目線を下に向けると
「うおっ!」
サクサクこなされてる料理さん達。
やべぇ……いつもの癖で。
「川合、料理上手いのな」
笑って褒めてくれてるけど嬉しくねぇよ。
慌てて、それを隠す。
その瞬間、心菜が愛未さん達になだめられながら部屋から出て来た。
セ、セーフ!
「こ、心菜さん。料理始めないんですか?」
それとなく心菜をキッチンに呼び、横で手伝うフリをする俺。
でも何となく心菜の様子が変な気がする。
さっきの……気にしてるだけかな?
って、心菜!
それは砂糖じゃなくて塩だぞっ。
「あー! 心菜さん、お砂糖ってコレですか?」
そう言いながら心菜の手にある塩と砂糖を、取替。
「心菜さんっ。大さじ3杯で良いんですかね?」
と、量を促し。
「えー? コレを混ぜるんですか?」
と、焦げ付きそうな鍋を混ぜ。
つ……疲れる。

