「陽呂、これ……」


広げた包みから出て来たのは心菜の夏用の妊婦服。


妊婦服なんて買うのは初めてで。

いつも心菜が行ってる店でサイズを見てもらい、かなり悩んだ。

俺が買った物で、心菜が文句を言わなかったことなんてない。

だから店員さんに色々と言って、やっと選んだ服だったんだ。


「……ありがと」


ポロポロと涙を零しながら、俺に抱きついてくれた心菜にドキッとしてしまった。

結婚して何年経つんだよ!?

なんて自分自身に突っ込んでみるものの、照れてしまったのは隠せない。


「あはっ! 陽呂、顔赤いしっ」


そう大笑いしてる心菜の顔を見るのは、久しぶりだったかもしれない。


ごめんな、心菜。