「べっ、別に。あんな事言いたかったんじゃないの」

「うん、わかってる」

「赤ちゃんの事、凄く大事なの」

「うん、知ってる」


大きくなったお腹に手をあて、泣きそうな顔で俺を見つめる心菜の額に優しくキスをした。


「俺が、悪かったんだよ。
俺達が居るから、コイツが居るんだよな?
俺、ちょっと先走り過ぎてたかも」


『ごめんな』って頭をポンポンと撫でると、首を横に振りながら『ごめんね』って心菜も謝ってくれる。


「これからはさ、2人で考えような。
俺、1人で勝手にしてばっかでごめんな?」


もう一度、首を横に振った心菜は泣きながら微笑んでた。


「あっ! そうだ、コレ」


デカイ包みを渡すと、


「今あるのも全部着れるかわからないのに」


なんて笑いながら、包みを広げた心菜の目から大粒の涙が零れる。