神と妖

「朝比奈!来た!あいつ、時間破って来やがった!」

約束より随分速いじゃねぇか、あの野郎

「ええ!」

「ああ、もう!先に行ってて!あいつら誘導しながら後でそっち向かうから!」

「はい!」

そう言って、バタバタと廊下を走っていく

う~ん、ストレス溜まってきたぞ。誘導がてら、このストレスを発散させて行こうか。

.......数からしておよそ、2万...もう少しいるな。
連れていく間に半分ぐらい消したろか

着替えを済ませて部屋を出る。
今日は満月か。最高の日だね、これだけはあいつに感謝しないといけないな。
上を見ると私の仲間が目的の場所に向かって移動を始めていた。

何人かがこちらに気づいて手を振っている。
早く行けという意味も込めて、手を振り返すと、嬉しそうな顔をして移動していった

「私も行かないと.....ねっ!」

トン、と軽く飛ぶと私の身体は簡単に宙に浮く。家の屋根より上に行ったところで仲間が移動した方を見る。当然、もう見えない。
その場でくるりと回ってから、反対の方向を見つめる

私一人、仲間とは逆の方向に向かって移動を開始した