蒼空は学校の屋上で寝転んでいた。
カメラを片手に持ち、ただ空を見上げていた。
蒼空はこの時間が一番の楽しみであり、好きだった。
ずっと空を見上げていたい、そう思っていた。
「おい、蒼空っ何してんだ」
いきなり雄斗の顔が頭上に現れる。
「おわっ!ビックリした、ってかお前、顔近すぎ」
こいつは上城 雄斗。
俺の小さい頃からの友人だ。
「わりぃ、わりぃ。それよりお前、こんなとこで何やってんだ?」
「決まってんだろ。空を見てたんだ」
蒼空は起き上がり、カメラを見せる。
「今日もまた大量に撮ったなぁ」
カメラには沢山の空の写真がうつされている。
「ほぉー、スゲーもんだ」
雄斗が関心した様にカメラを覗き込む。
「俺なんてまだまだだよ」
そうかぁーと雄斗が言っているが、
こんなんじゃまだまだだ。
俺がいつも感じている空には程遠い。
もっと頑張らなきゃな………
「雄斗、お前は何で屋上に来たんだ?」
こいつはこの時間は弓道部にいるはずだ。
「あっ!そうだった、蒼空、写真部の部長さんが呼んでたぞ」
……何だって?部長が呼んでるだって?



