そこは、蒼空が昔、一度だけ来たことがある場所だった。

深い森の中。
木々に覆われる中で、少しだけ開いている場所だった。


「ここか……?」


「やっぱり帰ろうよ…」

「何だ、怖いのか?」

「そんなことないけど……」


と、言っている間に何処からか声が聞こえてきた。