「……ら、そらにぃ!蒼空にぃったら」
微かに俺の妹と思われる声が聞こえるが、
それでは俺の睡魔には勝てない。



「そっちがその気なら……」
いきなりゾッと蒼空の背中に悪寒が走り目を覚ます。
そして、身の危険を察知し反射的に飛び起きる。


「チッ」
舌打ちをした妹の足は大きく上げられ、
ベットへと降り下ろされている。



「お前、実の兄になんてことするんだ!
危うくくの字になるとこだっただろ!」
しかも舌打ちしてやがったし。



「蒼空にぃが悪いんでしょ。なかなか起きないんだから」
「それでも、もうちょい優しく起こしてくれよ…」
いつもこのやり取りをしている。
のに、いつになっても直らない。



「はいはい、どーでもいいから早く支度して降りてきて よ。朝ごはん出来てるんだから。」

絶対に分かってないな、こいつ。
「あー、了解。」

俺の言葉も聞かず妹は一階へと降りていった…