「あははっ…はぁー。でもありがと」
「ん?なんだ?いきなり…」
礼を言われるようなことはしてないと思うんだが…
「何でもないわよ。バーカ」
「俺はバカじゃない」
即座に答える。
「そうだった、そうだった」
こいつ……そう言いながらも笑い押さえきれてないじゃないか。
全くバカにしてやがるな。
「でも蒼空のお陰で私も空が好きになった」
「そうかい、それは嬉しい限りで」
「あははっ、うん、それじゃ私もう帰るね」
皮肉っぽく言ったつもりだったんだが、何故か笑われた。
「あ、あぁ。気をつけて帰れよ」
錆び付いた扉へと華那は走って行った。
「ありがと。でもさっきの台詞蒼空には似合わないよ」
なんだよ、似合わないって…
「部室、行くか」
俺も部室へと足を向けた。



