「おはよう、って君はあの時の…」
えーと名前何だっけか?
「あっ、そっかまだ私は自己紹介してないんだっけ?じゃあ改めして
私、紫乃月 華那(シノヅキ カナ)っていいます」
スマイル100%での自己紹介だった。
でもよかった~。
これで名前覚えてなかったら失礼だもんな。
「んじゃ俺も篠之咲 蒼空(しのさき せいや)っていいます。……じゃなくて、何で荒巻さんがここに?」
夜ヶ校の制服を着てるってことはここの生徒か?
「何でって私もここの生徒だから、としか」
やっぱりそうだよな。
しかも彼女の制服のリボン2年生の赤色だし。
でも俺は今まで見たことないぞ。
何でだ?
転校生とかか?
「まぁ、蒼空くんには覚えてもらってないのも当然だよね」
「えっ?それってどうゆう…」
返ってきたのは苦笑いだった。
「私って体が弱いんだ。だから今まで入院してたんだ。心臓が悪いとかで…1年のころはちゃんと学校に来てたんだけどなぁ、でもクラス違ったからしょうがないか」
だからか。
だから知らなかったのか。
この夜ヶ校は1学年7クラスあるからなー。
「あっ、でも最初の始業式の日はいたよ。蒼空くんはいなかったけどねー」
その時か…
始業式はサボったからなー。
屋上で寝てた。
「あはは~…でもそんなこと俺に話してよかったのか?普通、話したくない内容だろ?」
うーん、と少し考えてから、
「何でだろ?何か蒼空くんには話していい気がしたんだ」
あははっと微笑み彼女は正門を潜って行った。
……不覚にも少しドキッとしてしまった。
あー、止めだ。
俺は少し遅れて彼女の後を追いかけた。
のす少し後に彼女が俺の隣の席だということを知った。



