「はっはっ、」
蒼空は息を切らしながら、
どこかのアニメのようにカバンを頭に上げ走っていた。


でも実際、これあんま意味ないよな……。

結局、全身ずぶ濡れだし。

そんなどうでもいいことを考えながら走っていたのだが、
いきなり蒼空の足が止まった。
バス停に見知れた顔が目に入ったからだ。



「昨日の…」
そこには蒼空が昨日会った紫乃月さんがいたからだ。

「よかったら、一緒に雨宿りしませんか…?いつまでもそこで立ってたら風邪引いちゃいますよ?」
彼女も蒼空に気ずき手招きしてくる。

蒼空は少し迷ったが、彼女の言う通りにバス停に入った。
その時蒼空は妹の事など覚えてもいなかった。