ヤッベー……
傘、忘れてるよ俺……

「どうすっかな、これ」
窓の外は自分が予想した通りに物凄く雨が降っている。

ピカッ

うわぁー、雷も鳴ってるし。

蒼空は今、写真部の部室で雨がやむのを待っていた。
そして、蒼空の他には人はいない。

まぁ当然っちゃ当然だよな…
もう7時だし。

「はぁ」
どうするかな。
雨に濡れるのは別にいいんだが…
それよりは妹だよな。連絡しとかないとまたこの間の二の舞になる。

蒼空は携帯を手に取るが、

「…マジかよ」

蒼空の携帯は死んでいた。

バッテリーという名の命が…。
「はぁ」

今日はついてないな。
厄日かっての。

そういう間も雨はやむ気配なく降り続いている。



「ここにいても仕方ないし帰るか」
蒼空は重たい腰を上げ、携帯をカバンに乱暴に突っ込み、
濡れながら帰ることを決意したのだった。