「俺っていつも行動パターン同じだよな…」



「まぁそうだね」
朝、学校に来て部活に出て屋上に来る。
そして空を眺める。いつもこの繰り返しだ。
「別にいいんだけどな」
俺は蒼空さえ見れればそれで。

「んで、何でお前がここにいるんだ?」
隣で寝ている琴音に目も向けずに問う。
「別にいいじゃん。私がどこにいようがね」
琴音も空から視線を変えない。

「まぁここに来たのはアンタを部室に連れ戻すため、だったんだけど…」
なんだよ、じゃあ最初からそう言えっての。

「でも、ここもいいわねぇー。蒼空が気に入るのも分かる気がする」
そう言う、琴音の微かな笑みがあった。

カシャッ。
俺はカメラのシャッターを押していた。
「ちょっ、何撮ってんのよ」
少し顔を赤らめカメラを奪いかかってくる。

それを難なく俺はかわし、もう一枚撮る。
「だから撮るなー!!」

「悪かったって。何かお前の笑顔が物凄く空に合ってて、よかったからついな」

「なっ、そ、そうゆう事ならしょうがないわね」
何かさらに顔が赤くなってる気がするんだが、
言わないけどな。

「あははっ、でも琴音、もうすぐ帰らないと雨降るぞ」
「出た。蒼空のお天気予報」
俺は小さい頃から空を見てきたせいか大体の天気が分かる。
「なんだよ、蒼空のお天気予報って。とにかくもうすぐで物凄く雨降るからお前はもう帰った方がいいぞ」

「あー、はいはい帰りますよ。蒼空の予報は当たるからね。それに濡れたくないし」

琴音が屋上から出ていこうとすると扉の前で何か思い出したように俺に叫んでくる。
「そういえば蒼空はどうするのよ?」

「俺は雨雲も好きなんだよ」

それを聞いて琴音は呆れながら帰っていった。