それではまた、と言われ、
「はい」
と、また会うかどうか分からないのに蒼空はそんな返事をしてしまった。

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結局、蒼空は彼女、紫之月さんが去ってから、
写真を撮ることに集中できなくなっていた。

それは何故だかは自分でも分からないのだが、。




蒼空はただ彼女が去った方を見ているだけだった。



空の写ったカメラを持って……。



「これじゃ何しにここに来たのか分かんないな…」
そう言う蒼空の顔は満更、嫌そうには見えない。
むしろ嬉しそうなぐらいだった。
それは自分と同じ人に会えたからだろうか?
あの人がキレイだったからか?

蒼空にはまだ分からなかった…。





「まぁ、帰るか」



これが空が好きな二人の最初の出逢いだった…。